2019/04/27 04:20

AFTERHOMEWORK PARIS
パリ生まれパリ育ちのデザイナーのPierre Kaczmarek ( ピエール・カツマレク) が2014年、弱冠15歳の時に立ち上げた。当時まだ高校生だった彼は勉強に支障が出ないようにと「AFTERHOMEWORK」と命名。
仲間達に向けたTシャツのレーベルとして始めたこのプロジェクトはわずか2年で、公式のパリ・ファッションウィークに発表の場をもつ新進気鋭のモード・ブランドに急成長した。歴代最年少で公式のカレンダーでのコレクション発表を遂げる。

左 : Pierre 右 : Elena
2016年にはスタイリストとして活躍するElena Mottola( エレナ・モットラ )がブランドに参加した。彼女はOFFWHITEやNIKEのキャンペーン、HERON PRESTONのランウェイなども手掛けるなど、いまや最注目のスタイリストの一人。

off white activewear campaign styled by Elena

Elenaのインスタグラムより。
極度なレイヤード、ノット、ねじれ、締め付けが彼女のスタイリングの特徴。彼女はインスタグラムを通して次シーズンのAFTERHOMEWORKの実験を行なっているともいえる。
PierreとElenaの二人がリーディングする傍ら、パリのアーティスト、ミュージシャン、ビデオグラファーやグラフィックアーティストなど同世代のパリのクリエイターや友人とともに作り上げる"ムーブメント"がアフターホームワークだ。複数人が関わることで多方面からのアドバイスや視点を取り入れ、コレクションの創造性は膨らんでいく。

SS18 CAMPAIGN
Googleのストリートビューのような視点から撮り下ろされたキャンペーンショットはセンセーショナルなものであった。
“パリのありのままのリアル”を洋服を通して表現する彼らにとって、フレンチラップ(フランスのラップミュージック)からの影響は大きく、過去2シーズンを通してランウェイでの音楽はフレンチラップを起用。ストリートに集う若者たちの日常や忘れ去られてしまったフランスの作業着などもインスピレーションの源とし、性別やユニセックスという概念すらも取り払い、現代的なスタイルで提案する。

AW18 CAMPAIGN
FW18/19はフランス生まれの裸体AIキャラクターPerlを初めてモデルに起用。
エレナの得意とするスタイリングでもある、レイヤードやノット、ギャザー、プリーツ、ドローコードなどのテクニックを使い新しいデザインに昇華する彼らのクリエーションは、2018年度ANDAMプライズにも最年少でファイナリストとして選出されている。
多くのメゾンブランドや世界各地のデザイナーがコレクションを発表するパリは、今日でもファッションの中心地でありファッションにおけるグローバリゼーションを意味する地とも言えるが、彼らにとってのパリはあくまで"地元"なのである。そこでの仲間達とともに作り上げる彼らのクリエーションがAFTERHOMEWORK PARISのアイデンティティをより奥行き深いものにしている。


